長崎と聞くと、坂のある街並みを思い浮かべる方は多いと思います。

港を囲むように斜面に家が建ち並ぶ風景は、長崎らしい魅力のひとつです。旅行で訪れれば、坂の途中から見える街や港の景色に足を止めることもあるでしょう。

ところが、実家じまいという視点から見ると、この坂が途端に難しい問題になります。

家の前まで車が入れない。玄関まで長い階段がある。家具を運び出すにも人手が必要。建物が古くなって解体を考えても、重機やトラックが簡単には入れない。

親が暮らしていたころには普通の家だったのに、いざ子どもの世代が引き継ぐことになると、どうしたらいいのか分からない。

長崎市には、そんな実家もあるはずです。

しかも相続した子どもが長崎に住んでいるとは限りません。東京や大阪、福岡などで生活していれば、実家の様子を見るためだけに帰るのも一仕事です。

不動産会社に相談してみたものの、立地や建物の状態から売却が難しいと言われてしまう。

さて、ここからどうするか。

私は、ここで実家じまいが止まってしまうのが一番もったいないと思っています。

不動産会社で普通に売れなかったからといって、その家の出口までなくなったとは限らないからです。

長崎市の実家だからこそ、最初から売却だけに決めず、その家の事情を一度ばらして考えてみる必要があります。

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●長崎市の実家じまいでは、なぜ坂が問題になるのか

坂の上に家があること自体が問題なのではありません。

問題になるのは、その立地条件が売却、片付け、修繕、解体など、その後の選択肢にどう影響するかです。

例えば家の前まで車が入れない場合、冷蔵庫やタンスなどの大型家具を処分するだけでも、平坦な住宅地とは作業条件が変わります。

解体するにしても同じです。

重機が入れるのか。廃材をどう搬出するのか。道路から建物までどれくらい距離があるのか。

さらに不動産として考えるなら、接道状況も確認しなければなりません。目の前に道らしきものがあるから大丈夫、とは限らず、建築基準法上どのような扱いなのかによって、将来の建て替えにも関係してきます。

高低差や擁壁なども確認したいところです。

実際、長崎市は空き家・空き地情報バンクについて、斜面地などにあり、民間では流通していない利用可能な物件を所有していて、売却や賃貸を考えている場合には登録を検討するよう案内しています。([長崎市公式サイト][1])

これは長崎市の地域性をよく表していると思います。

民間の一般的な不動産流通に乗りにくい家が存在する。その一方で、使える家なら別の方法で次の人につなげる可能性も考える。

長崎市の実家じまいでは、この視点がかなり大切になってきます。

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●不動産会社に売却が難しいと言われたら、それで終わりなのか

ここで一度、不動産会社の立場も考えてみたいと思います。

不動産会社も商売です。

5000万円のマンションを仲介する場合と、50万円の古い家を扱う場合では、調査や説明、契約などに必要な仕事量が50分の1になるわけではありません。

さらに古い家になると、接道、境界、相続、未登記部分、建物の状態など、確認事項が増えることもあります。

そのため、不動産会社が積極的に扱いにくい物件が出てくること自体は不思議ではありません。

でも、それは必ずしも、誰も欲しがらない家という意味ではありません。

例えば一般の住宅購入者には敬遠される古い家でも、自分で直して使いたい人には面白く見えるかもしれません。

庭が広ければ、それを魅力に感じる人もいます。

建物そのものにはほとんど価値がなくても、場所や使い方によっては別の価値が出ることもあります。

長崎市の空き家バンクでも、無償譲渡や安価な物件が紹介される場合があることを市が案内しています。([長崎市公式サイト][2])

ですから私は、不動産会社に断られたところを実家じまいの終点にはしたくありません。

むしろ、そこからが出口を考えるスタートになる家もあると思っています。

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●まず家を売ろうとするのではなく、家の状態を分解してみる

私たち実家終活代行では、実家を8カテゴリー40項目で整理します。

土地、建物、環境、市場性、法務、難易度、親族、税務・資金面。

なぜここまで見るのかというと、実家じまいは不動産だけの問題ではないからです。

例えば長崎市の斜面地にある古い家なら、私は少なくとも次のようなことが気になります。

まず道路です。

車が家の前まで入れるのか。建築基準法上の接道はどうなっているのか。

次に土地の高低差。

長い階段があるのか、擁壁があるのか、搬出や工事に影響する条件はないか。

当然、建物も見ます。

雨漏り、床の傾き、腐食、シロアリなど。単純な築年数だけでは判断できません。

そして意外と大きいのが、家の中に残っている物です。

家具、布団、衣類、食器、本、写真、書類。

実家に入ってみたら、親が生活していた当時のままということも珍しくないでしょう。

ここで私なら、いきなり全部処分することは勧めません。

先に出口を考えます。

普通に売るなら、内覧を考えてある程度きれいにした方がいいかもしれない。

建物ごと引き継いでDIYしたい人を探すなら、必ずしも最初から完全な空き家にする必要はないかもしれない。

解体するなら、建物と残置物の処理を一緒に考えた方が合理的なケースもあります。

片付けてから出口を考えるのではなく、出口を考えてから必要な片付けをする。

私はこの順番を大事にしています。

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●長崎市の坂の上の実家に考えられる7つの出口

では実際に、どんな方法があるでしょうか。

もちろん物件によって答えは変わります。ここでは代表的な7つを挙げます。

1.まずは普通に売却できないか確認する

難しそうに見える家でも、最初から通常売却を捨てる必要はありません。

立地、土地、建物、接道、需要などを調べて、普通に売れるのであれば、それが一番分かりやすい方法です。

私たちの仕事も、何でも特殊な方法に持っていくことではありません。

普通に売れる家なら、普通に売る。

これも大事な判断です。

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2.修繕や片付けを最小限にして、価格を下げて売る

実家じまいで判断が難しいのがここです。

例えば100万円かけて家をきれいにしたら、200万円高く売れるのであれば、やる意味があるかもしれません。

でも100万円かけても、売値が50万円しか上がらなかったらどうでしょう。

古い実家では、売却価格を上げるためにお金を使いすぎないことも重要です。

私は、売値そのものより、

全部終わったときに、家族の手元にいくら残るのか、を見るべきだと思っています。

これは長崎に限った話ではありませんが、片付けや工事の条件が厳しくなりやすい斜面地では、特に意識したいところです。

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3.長崎市の空き家・空き地情報バンクを使う

長崎市には行政が運営する空き家・空き地情報バンクがあります。

現在は、市外から長崎市への移住・定住を考えている人だけでなく、市内で転居を考えている人も利用対象です。所有者が登録した物件情報を提供し、空き家の活用につなげる制度になっています。([長崎市公式サイト][1])

そして先ほど触れた通り、斜面地などにあり民間で流通していない物件についても、市が登録相談を案内しています。([長崎市公式サイト][1])

これはぜひ一度確認しておきたい出口です。

民間の不動産会社で話が進まなかったからといって、同じ売り方だけを何社も繰り返す必要はありません。

違う市場に出してみる、という発想も必要です。

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4.古い家を欲しい個人に引き継ぐ

これは今後、もっと可能性が出てくる分野ではないかと私は見ています。

古い家を安く買ってDIYしたい人、賃貸物件として再生したい人、週末の拠点として使いたい人。

一般的なマイホーム購入者とは、家を見る基準が違います。

もちろん、どんな家でも買い手が見つかるという話ではありません。

それでも、500万円では誰も興味を示さなかった家に、50万円なら興味を持つ人が現れることはあり得ます。

さらに価格を下げたらどうか。

現状のままならどうか。

ここでは、価格と条件をセットで考える必要があります。

個人間の売買や譲渡を行う場合も、契約、登記、物件状態の確認などは重要です。必要に応じて宅建業者や司法書士など、適切な専門家と連携して進めます。

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5.0円で譲るという選択肢もある

実家を0円で手放す。

最初に聞くと、抵抗を感じる方も多いと思います。

親が残してくれた家です。土地もあります。それをタダで渡すなんて、と考えるのは自然なことです。

ただ、一度計算してみる価値はあります。

今後10年間で固定資産税はいくらか。

草刈りや管理はいくらか。

台風のあとに見に行く交通費は。

屋根や外壁が傷んだら。

近所から連絡が来たら。

そう考えていくと、0円で譲ることが必ずしも0円の価値しか生まないとは限りません。

所有することで今後発生する負担を終わらせることも、経済的な価値だからです。

実際、長崎市の空き家バンクでも無償譲渡や安価な物件が紹介されることがあります。([長崎市公式サイト][2])

50万円で売れるまで何年も待つのか。

0円でも早く引き継いでもらうのか。

答えは家によって違います。

だから数字を出して比べる必要があります。

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6.解体して土地として売る

建物の傷みが激しい場合は、解体も当然選択肢になります。

ただ、私は古いからという理由だけで、最初に解体するのは避けたいと考えています。

一度壊した家は元には戻せません。

建物付きなら興味を持つ人がいたのに、更地にしたら土地としての需要が少なかった、という可能性も考えなければなりません。

しかも斜面地なら、解体や搬出条件も確認が必要です。

長崎市では2026年度も、一定の要件を満たす特定空家等について除却費の一部を補助する制度があり、上限は50万円です。ただし、対象建築物や工事などに細かな要件がありますので、解体を決める前に市へ確認する必要があります。([長崎市公式サイト][3])

さらに長崎市には、条件を満たす老朽危険空き家について、建物と土地を市へ寄附するなどして、市が除却し跡地を公共空間として整備する制度もあります。これもすべての家が対象になるわけではありませんが、知っておいて損はありません。([長崎市公式サイト][4])

こういう自治体独自の制度まで調べて初めて、解体するかどうかを比較できると思います。

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7.今は手放さず、維持費を下げて持つ

少し意外かもしれませんが、これも私は出口のひとつだと考えています。

今すぐ売れない。0円でも引き取り手が見つからない。解体するにも費用が大きい。だから失敗、ではありません。

現時点では無理に手放さず、年間の維持費をできるだけ下げて、条件が変わったときにもう一度考える。

これも選択です。ただし、何となく放置するのとは違います。

年間いくらかかっているのか。最低限どんな管理が必要なのか。どんな状態になったら再検討するのか。

3年後にどうするのか。ここまで決めておく。

そうすれば、少なくとも家族の頭の片隅にずっと残っている、正体の分からない問題ではなくなります。

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●私が一番避けたいのは、実家が何年も宙ぶらりんになることです

実家じまいを考えていて、本当に怖いのは売れなかったことではないと私は思います。

一度不動産会社に相談する。

難しいと言われる。

兄弟に話す。

結論が出ない。

また今度にしようとなる。

そして2年、3年と過ぎていく。

この状態です。

その間にも家は古くなります。

草は伸びます。台風も来ます。固定資産税もかかります。

所有者である子ども世代も年齢を重ねていきます。

長崎市も、長年放置され老朽化した空き家が、防災、衛生、景観など周辺の生活環境に影響を与える問題を指摘しています。市は2026年3月に空家等対策計画を改定しました。([長崎市公式サイト][5])

管理状態によっては、特定空家等や管理不全空家等として行政上の措置の対象になる場合もあります。住宅用地の固定資産税等の特例についても、一定の場合には対象から外れる可能性があります。([長崎市公式サイト][1])

ですから、今すぐ売らなければならないとは思いません。

でも、今どうするかは決めた方がいい。

売るのか。譲るのか。壊すのか。しばらく持つのか。持つなら、どう管理するのか。

ここまで決まれば、実家問題はかなり違って見えてきます。

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●東京に住みながら、長崎の実家を片付ける難しさ

全国の実家じまいを考えると、私はこの問題がこれからますます大きくなると思っています。

親は長崎。

子どもは東京。

あるいは大阪、名古屋、福岡。

親が亡くなって初めて、遠方にある実家をどうするかという問題に直面します。

現地へ行く。家の中を見る。兄弟と相談する。不動産会社を探す。片付け業者から見積もりを取る。登記を確認する。場合によっては司法書士へ相談する。解体なら解体業者とも話す。

一つひとつはできることでも、全部を並行して進めると結構な仕事になります。

私は2008年の創業以来、企業の営業支援を通じて、複数の人や会社が関わる案件の調整や進行管理をしてきました。

実家じまいについて考えるようになって、この経験が意外なほどそのまま使えることに気づきました。

家を解体するのは解体業者です。

登記は司法書士など専門家の領域です。

不動産の仲介が必要なら宅建業者です。

私はその仕事を代わりにする人間ではありません。私の役割は、この実家を終わらせるために、何を、どんな順番で、誰と進めればいいのかを整理すること。

そして必要な人たちをつないで、途中で止まらないように進行させることだと考えています。

長崎のように遠方所有になりやすく、さらに斜面地という地域特有の問題が加わる場所では、こうした全体のディレクションが特に重要になるのではないでしょうか。

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●長崎市には、使える制度があります

実家じまいでは、民間サービスだけを見る必要はありません。

自治体に使える制度があるなら、当然使った方がいい。

長崎市には現在、空き家・空き地情報バンク、特定空家等除却費補助金、老朽危険空き家対策事業などがあります。2026年には空家等管理活用支援法人の指定も行われています。([長崎市公式サイト][6])

この中でどれが使えるのかは、物件によって違います。

ここでも結局、先に家の状態を整理する必要があります。

普通に売れるなら売る。

一般市場では難しいなら空き家バンクも調べる。

古家を求める人への譲渡も考える。

建物が危険なら解体と行政制度を調べる。

どれも難しければ、維持費を抑えて保有する。

一つの方法が駄目だったからといって、そこで終わりではありません。

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●坂の上にある実家にも、その家なりの終わらせ方がある

長崎の坂の上にある古い家。

車が入らない。家財もたくさん残っている。建物も傷んできた。相続した自分は東京に住んでいる。
こうして並べると、かなり難しい家に見えます。
実際、簡単ではないと思います。

私は、何でも売れますとか、どんな家でも必ず手放せますとは言いたくありません。

どうしても出口が見つかりにくい家はあるでしょう。

ただ、そのときでもできることはあります。

なぜ売れないのかを整理する。

条件を変えたらどうなるかを考える。

使える行政制度を調べる。

維持費を下げる。

そして、将来どんな条件になったらもう一度動くのかを決める。

ここまでできれば、少なくとも何をしたらいいのか分からない状態からは抜け出せます。

実家じまいは、必ずしも家を高く売ることがゴールではありません。

家族にとって長年の懸案だった実家について、これからどうするのかを決めて、実際に前へ進めること。

私は、そこまで含めて実家じまいだと考えています。

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●長崎市のご実家も、全国からご相談いただけます

実家終活代行では、ご実家を土地・建物・環境・市場性・法務・難易度・親族・税務など8カテゴリー40項目から整理し、その家に考えられる複数の出口を比較する無料診断を行っています。

不動産会社に売却が難しいと言われた。

坂の上にある。

家の前まで車が入れない。

親の家財が大量に残っている。

長崎から遠く離れて暮らしている。

売るのか、壊すのか、残すのかさえ決まっていない。

その段階で大丈夫です。

むしろ、何をすればいいのか分からない段階だからこそ、一度全部並べてみる意味があります。

最初から売却ありき、解体ありきでは考えません。

その実家には、どんな出口が残っているのか。

一緒に整理するところから始めます。

実家のこと。一人で悩まず、一緒に考えましょう。

[1]: https://www.city.nagasaki.lg.jp/page/3782.html?utm_source=chatgpt.com “長崎市空き家・空き地情報バンク – 長崎市ウェブサイト(建築指導課)”
[2]: https://www.city.nagasaki.lg.jp/site/nagasakijin/6578.html?utm_source=chatgpt.com “空き家・空き地情報バンク(空き家バンク) – 長崎市移住・定住応援公式サイト「ながさき人になろう」 – 長崎市ウェブサイト”
[3]: https://www.city.nagasaki.lg.jp/page/1921.html?utm_source=chatgpt.com “長崎市特定空家等除却費補助金 – 長崎市ウェブサイト(建築指導課)”
[4]: https://www.city.nagasaki.lg.jp/page/3181.html?utm_source=chatgpt.com “長崎市老朽危険空き家対策事業 – 長崎市ウェブサイト(建築指導課)”
[5]: https://www.city.nagasaki.lg.jp/page/3864.html?utm_source=chatgpt.com “長崎市空家等対策計画 – 長崎市ウェブサイト(住宅政策室)”
[6]: https://www.city.nagasaki.lg.jp/life/4/30/123/?utm_source=chatgpt.com “空き家・空き地 – 長崎市ウェブサイト”